true tears、最終回まで本当に良かったです。
同時に少年少女の恋愛、葛藤、成長を、こうやって独特な手法で作りあげるスタッフの姿勢にも感動です。
見てない人には、是非、お薦めしたい作品。
いわゆる美少女アニメの形をとっていますが、内容は現実と虚構のバランスに優れた青春群像劇。
なによりも脚本と演出が独特で、全てを語らずに印象的な台詞や絵で見せるという手法が作品の質を深めています。これが本当によくできていて、感慨深くその意味や意思を感じることができるんですよね。
ただ、感じることはできても、それを言葉に変換して感想を書くのが大変なんですが!
他にも安定したキャラ作画も、秋と冬を彩る美術も、作品を支える繊細な音楽も、全てが高いレベルでまとまっていました。
騙されたと思って是非見てほしい!
騙されたと思っても文句は受け付けませんが!
ちなみに比較的真面目でガチな作品なんですが、単にそれだけじゃなくお色気シーンも用意されてるのが良いのです。
お色気といってもパンチラとか胸にタッチしちゃうとか、そういうのじゃないです。主に比呂美というキャラがお色気担当なんですが、いわゆる着替えのシーンで、これが見ちゃいけないものを覗いてるようにエロい。
作画レベルも高いので余計にエロいのです。青春にエロは付き物です!
ということで、そんな楽しみもあるtrue tearsをひとしきりお薦めしたところで最終回の話し。
なにはともあれ、眞一郎と乃絵のシーンですよ。眞一郎の心境にはたまらないものがありましたね。
僕は眞一郎と乃絵が付き合うという展開は考えられなかったので、眞一郎がどうやって答えを出すのかとても気になってましたが、表現としてはこれ以上ないくらい良かったです。
眞一郎は踊りにも絵本にも自信が持てずにいましたが、それは「父親と比べられるのが嫌だ」「自分の限界を知るのが恐い」という後ろ向きな理由からでした。
でも、「乃絵のために踊る。乃絵のために絵本を描く。」という決意から前向きな行動へ昇華することができたのです。乃絵は絵本に関しては最初の読者(ファン)であって、踊りに関してはごまかしのない自分の姿を示さなきゃいけない相手です。明確な行動原理が見出せない時「誰かのために」というのは力になるんですよね。
でも、それが恋なのかというと、そうであるかもしれないしそうでないのかもしれません。実はそれが恋であってもいいのですが、眞一郎にとっての恋は昔から想ってる比呂美との関係だったのです。
しかし、乃絵にとっての恋は眞一郎との関係であったし、眞一郎にとって乃絵が大切な存在になってたことも確かだったのです。
そんな複雑な心境を吐露する眞一郎を、真っ直ぐな瞳で見つめる乃絵がなんとも印象的でしたね。
そして乃絵は眞一郎の手を借りずに、様々な痛みをこらえて一人で帰ります。
眞一郎は自分の気持ちを確認するように、それをハッキリ乃絵に伝えるように歌って泣き崩れる。
いやぁ、たまりませんねぇ。
遠くで乃絵が手を振るシーンは是非ハイビジョンで見たい!と思いました。
一方、比呂美は前回から自己嫌悪に陥っています。それが自信の無さに繋がっていて、お揃いのマグカップが割れちゃったとか嘘ついて計画的間接キスをしたり、しまいには「いいよ…」と誘ったりして無理にでも自分を誇示しようとするのです。
その怒涛の誘いを諭す眞一郎は偉い!てか凄い!
「私の涙が綺麗なんて嘘」と本人は語りますが、涙が綺麗なのは真実なんですよね。眞一郎のことを純粋に想っての涙ですから。
そして眞一郎の告白シーンでまず「いや」と断るのも比呂美らしかったです。
一度目の「いや」は自己嫌悪からこんな自分じゃ自信がないという現われ。2度目の「いや!」は乃絵と眞一郎の関係に対して。
でも、そんな比呂美にひるまずに自分の気持ちをぶつける眞一郎に成長が伺えます。
比呂美の最期の涙は辛い過去があって、やっと自分の居場所を見つけたという幸福感もあるのでしょう。
しかし、いっぱい泣きましたねぇ、比呂美は。
そういえば比呂美といえば制服でのバスケシーン。
朋与に「(パンツ)見えてますよ~」などと注意されていますが、実際には見えません。でも、体育館の床にうっすら映るスカートの中の描写があるのです。最後の最後でなんという凝ったお色気描写。
是非ハイビジョンで見たい!と思いました。
え~、ちなみに僕は比呂美大好きです!
カッコイイ変態石動純もラストの子供とのカットから考えるにケジメがつけられたようで良かったですね。ゼロからのスタート、過去の自分との決別とかそこらへんの意味が含まれていると思います。
彼の言葉には特徴があって、その言葉は会話の相手に投げかける言葉でもありながら、実は自分に投げかけてる言葉でもありました。
眞一郎に対する「俺はお前を許せないんだ」という言葉も自分に対する言葉でもあるんでしょう。もちろん「自己暗示」以外に言葉が出ない眞一郎に対して苛立ったのも確かです。この時点で泣いてない眞一郎になぜ泣けないのか完全には理解できません。
それと比呂美に対する「好きじゃなかった、これっぽっちも」という言葉は良いですね。比呂美を介して「俺は乃絵への思いを払う」と言ってると思うのですが、同時に比呂美とあとくされなく別れるという二重の意味も込められてます。
愛ちゃんは3人のメインヒロインのうちの1人でありながら終盤で出番が減ってしまったので、ここではあまり感想書けませんが、それでもヒロインが3人いたという意味は多いにあったと思います。
比呂美とも乃絵とも違う三者三様の恋があるという点においてもそうだし、愛ちゃんの行動で眞一郎が自分を省みたという点においてもそうだし。あと、背がちっさくて巨乳という設定にしてもそうだし。…愛ちゃんのお色気シーンもちょっと見たかったなぁ。
そして、ラストシーンです。
鳥小屋の前で立つ乃絵はきっと過去を振り返っているのでしょう。
あの時はまだ飛べなかったけど、眞一郎が乃絵によって現実と向き合うことができたように、乃絵も眞一郎によって現実と向き合う決意ができたのです。「信じてる」と託された言葉を胸に。
そして春になり、雪が解けて、飛ぼうとして骨折してしまった傷も癒えて、友達ができて、乃絵は新しい一歩を踏み出してるわけですが、そんな時に雪解けの地面から、いつか眞一郎に石を並べて告白してもらった痕跡が…。
この時になって、しみじみと実感するわけですよ。
眞一郎との関係と、その時過ごした時間と想いが、今の自分を前進させてくれていることを。
涙を流すのはテーマなのでわかっていましたが、泣いてる顔を見せずに、涙が風に舞うという演出がとても爽やかでした。
さて、長々と感想を書いたのですが、これでも全然書き足りない!
眞一郎の母親のことや、細かい演出の意図もまだまだ山ほどあります。
この感想を書くためにとりあえず最終回5回くらい見返しました。それでも足りないから、最初から見返そうと思いましたが、時間がないので諦めましたよ! もう、完全レビューはその道の人にまかせたいと思います。
でも、DVDを買った時に見返すので、話す機会があったらまた話したいですね。
最期にDVD1巻の写真でも。
「テレビから離れて~」という例の注意文句を乃絵が台詞で言ってるんですが、最期に「いいわね?地べた?」と諭されるのがたまらんす。
同時に少年少女の恋愛、葛藤、成長を、こうやって独特な手法で作りあげるスタッフの姿勢にも感動です。
見てない人には、是非、お薦めしたい作品。
いわゆる美少女アニメの形をとっていますが、内容は現実と虚構のバランスに優れた青春群像劇。
なによりも脚本と演出が独特で、全てを語らずに印象的な台詞や絵で見せるという手法が作品の質を深めています。これが本当によくできていて、感慨深くその意味や意思を感じることができるんですよね。
ただ、感じることはできても、それを言葉に変換して感想を書くのが大変なんですが!
他にも安定したキャラ作画も、秋と冬を彩る美術も、作品を支える繊細な音楽も、全てが高いレベルでまとまっていました。
騙されたと思って是非見てほしい!
騙されたと思っても文句は受け付けませんが!
ちなみに比較的真面目でガチな作品なんですが、単にそれだけじゃなくお色気シーンも用意されてるのが良いのです。
お色気といってもパンチラとか胸にタッチしちゃうとか、そういうのじゃないです。主に比呂美というキャラがお色気担当なんですが、いわゆる着替えのシーンで、これが見ちゃいけないものを覗いてるようにエロい。
作画レベルも高いので余計にエロいのです。青春にエロは付き物です!
ということで、そんな楽しみもあるtrue tearsをひとしきりお薦めしたところで最終回の話し。
なにはともあれ、眞一郎と乃絵のシーンですよ。眞一郎の心境にはたまらないものがありましたね。
僕は眞一郎と乃絵が付き合うという展開は考えられなかったので、眞一郎がどうやって答えを出すのかとても気になってましたが、表現としてはこれ以上ないくらい良かったです。
眞一郎は踊りにも絵本にも自信が持てずにいましたが、それは「父親と比べられるのが嫌だ」「自分の限界を知るのが恐い」という後ろ向きな理由からでした。
でも、「乃絵のために踊る。乃絵のために絵本を描く。」という決意から前向きな行動へ昇華することができたのです。乃絵は絵本に関しては最初の読者(ファン)であって、踊りに関してはごまかしのない自分の姿を示さなきゃいけない相手です。明確な行動原理が見出せない時「誰かのために」というのは力になるんですよね。
でも、それが恋なのかというと、そうであるかもしれないしそうでないのかもしれません。実はそれが恋であってもいいのですが、眞一郎にとっての恋は昔から想ってる比呂美との関係だったのです。
しかし、乃絵にとっての恋は眞一郎との関係であったし、眞一郎にとって乃絵が大切な存在になってたことも確かだったのです。
そんな複雑な心境を吐露する眞一郎を、真っ直ぐな瞳で見つめる乃絵がなんとも印象的でしたね。
そして乃絵は眞一郎の手を借りずに、様々な痛みをこらえて一人で帰ります。
眞一郎は自分の気持ちを確認するように、それをハッキリ乃絵に伝えるように歌って泣き崩れる。
いやぁ、たまりませんねぇ。
遠くで乃絵が手を振るシーンは是非ハイビジョンで見たい!と思いました。
一方、比呂美は前回から自己嫌悪に陥っています。それが自信の無さに繋がっていて、お揃いのマグカップが割れちゃったとか嘘ついて計画的間接キスをしたり、しまいには「いいよ…」と誘ったりして無理にでも自分を誇示しようとするのです。
その怒涛の誘いを諭す眞一郎は偉い!てか凄い!
「私の涙が綺麗なんて嘘」と本人は語りますが、涙が綺麗なのは真実なんですよね。眞一郎のことを純粋に想っての涙ですから。
そして眞一郎の告白シーンでまず「いや」と断るのも比呂美らしかったです。
一度目の「いや」は自己嫌悪からこんな自分じゃ自信がないという現われ。2度目の「いや!」は乃絵と眞一郎の関係に対して。
でも、そんな比呂美にひるまずに自分の気持ちをぶつける眞一郎に成長が伺えます。
比呂美の最期の涙は辛い過去があって、やっと自分の居場所を見つけたという幸福感もあるのでしょう。
しかし、いっぱい泣きましたねぇ、比呂美は。
そういえば比呂美といえば制服でのバスケシーン。
朋与に「(パンツ)見えてますよ~」などと注意されていますが、実際には見えません。でも、体育館の床にうっすら映るスカートの中の描写があるのです。最後の最後でなんという凝ったお色気描写。
是非ハイビジョンで見たい!と思いました。
え~、ちなみに僕は比呂美大好きです!
カッコイイ変態石動純もラストの子供とのカットから考えるにケジメがつけられたようで良かったですね。ゼロからのスタート、過去の自分との決別とかそこらへんの意味が含まれていると思います。
彼の言葉には特徴があって、その言葉は会話の相手に投げかける言葉でもありながら、実は自分に投げかけてる言葉でもありました。
眞一郎に対する「俺はお前を許せないんだ」という言葉も自分に対する言葉でもあるんでしょう。もちろん「自己暗示」以外に言葉が出ない眞一郎に対して苛立ったのも確かです。この時点で泣いてない眞一郎になぜ泣けないのか完全には理解できません。
それと比呂美に対する「好きじゃなかった、これっぽっちも」という言葉は良いですね。比呂美を介して「俺は乃絵への思いを払う」と言ってると思うのですが、同時に比呂美とあとくされなく別れるという二重の意味も込められてます。
愛ちゃんは3人のメインヒロインのうちの1人でありながら終盤で出番が減ってしまったので、ここではあまり感想書けませんが、それでもヒロインが3人いたという意味は多いにあったと思います。
比呂美とも乃絵とも違う三者三様の恋があるという点においてもそうだし、愛ちゃんの行動で眞一郎が自分を省みたという点においてもそうだし。あと、背がちっさくて巨乳という設定にしてもそうだし。…愛ちゃんのお色気シーンもちょっと見たかったなぁ。
そして、ラストシーンです。
鳥小屋の前で立つ乃絵はきっと過去を振り返っているのでしょう。
あの時はまだ飛べなかったけど、眞一郎が乃絵によって現実と向き合うことができたように、乃絵も眞一郎によって現実と向き合う決意ができたのです。「信じてる」と託された言葉を胸に。
そして春になり、雪が解けて、飛ぼうとして骨折してしまった傷も癒えて、友達ができて、乃絵は新しい一歩を踏み出してるわけですが、そんな時に雪解けの地面から、いつか眞一郎に石を並べて告白してもらった痕跡が…。
この時になって、しみじみと実感するわけですよ。
眞一郎との関係と、その時過ごした時間と想いが、今の自分を前進させてくれていることを。
涙を流すのはテーマなのでわかっていましたが、泣いてる顔を見せずに、涙が風に舞うという演出がとても爽やかでした。
さて、長々と感想を書いたのですが、これでも全然書き足りない!
眞一郎の母親のことや、細かい演出の意図もまだまだ山ほどあります。
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でも、DVDを買った時に見返すので、話す機会があったらまた話したいですね。
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お知らせ
●10/01/06 冬コミおつかれさまでした
結局紙1枚になっちゃいました。オフセ本作りたいのぉ。
結局紙1枚になっちゃいました。オフセ本作りたいのぉ。
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カワサキ カズヒコ
絵描き
東京在住
B型
右利き
メガネ ときどき コンタクト
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現在の愛機の状態
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