心は水面に揺れることなく

DARKER THAN BLACK 5巻

いやはや、DTBは何度見ても面白い。
銀のエピソード（#13,14）で感動的なのは、ドールと呼ばれる心の希薄な存在が、周囲の存在（心）も巻き込んで変化していく様子ですね。「帰らない」と、かたくなに拒否する銀がいじらしい。
銀に心があった時に作り笑いの意味を受け入れられなかったシーンと、心を無くして笑えなくなった自分の頬を指で上げてみせて作り笑いをするシーンが、なんとも象徴的良いっす。

それと、この前のエピソード（#11,12）は、ラストまで見ないとわからない謎現象が起きる大筋に関わる話しですね。流星の欠片が契約者の力を増幅させるものであったり、謎の発光現象は白の能力であったりと。
ニックの「信じていてくれたんだね！」という言葉も夢の現出がニックからではなく黒からということを暗示していたんですね。最期に銀に導かれるのも最終話と同じで、最終話では銀の気持ちがはっきりした言葉で語られ、その観測霊も人型へと進化しているという。白とアンバーを差し置き銀がヒロインを奪うのですっ。

あとあと、脚本家の菅正太郎のインタビューで神山健治とのエピソードがあったのですが、攻殻SACでの神山健治は鬼のように厳しかったらしく、１０本くらいのプロットを見せたら「おめぇはこれが面白いのか！」とブチ切れられたそうです。
そんなある時「脚本を面白く書く方法を教えてやろう」と言われ、「どうやるんですか？」と救いを求めたら、「面白く書けばいいんだよ！」と。自分が菅正太郎だったら泣いてますね。